D-Penicillamineによる薬剤アレルギー性肝障害の1例
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概要
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55歳,男性のBehçet病患者がD-Penicillamine(D-P剤)を400mg/day2週間服用後,発熱,発疹,全身倦怠感を訴えて入院した.入院時,白血球,血小板の減少と肝機能異常(GOT 186Ku, GPT 184Ku, LDH 614WRu)がみられ,D-P剤による薬剤アレルギー性肝障害が疑われた.患者リンパ球はStimulation index 9.4と機能低下が窺われ,リンパ球刺激試験では,D-P剤のみを抗原として添加した場合は130%と陰性であったが,PHAでリンパ球の反応性を高めながらD-P剤を添加した場合は180%と陽性の成績が得られた.Steroid療法で症状,肝機能が改善した後,Challenge testとしてD-P剤200mgを服用させると,翌日には軽度の発疹,好酸球の増加がみられ,Transaminase,Al-pも高値を示して,D-P剤によるアレルギー性肝障害が強く疑われた.D-P剤が慢性肝疾患の治療に使用されている今日,投与以前にD-P剤の過敏性をcheckすることは勿論,投与後のTransaminaseの変動に,本剤によるアレルギー性肝障害も考慮すべきことと思われた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
吉田 浩
福島県立医科大学 第2内科
-
森藤 隆夫
塙厚生病院内科
-
森藤 隆夫
福島県立医科大学 内科学第二講座
-
粕川 礼司
福島県立医大第2内科:ニューヨーク州立バッファロー大学細菌免疫学教室
-
武田 尚寿
福島県立医科大学第2内科
-
西 貞隆
福島県立医科大学第2内科
-
粕川 礼司
福島県立医大第2内科
-
西 貞隆
福島県立医大第2内科
-
森藤 隆夫
福島県立医大第2内科
-
吉田 浩
福島県立医大第2内科
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