妊娠性反復性肝内胆汁うつ滞症の1例

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概要

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第1回および第2回妊娠により肝内胆汁うっ滞を呈した症例を経験した.患者は22歳の女性で第1回,第2回妊娠中期より全身掻痒感と黄疸が出現した.生化学的検査で血清ビリルビン,Al-P,LAP,総コレステロールの著明な上昇を認めたが,他の肝機能は正常範囲であった.分娩後自覚症状および黄疸,生化学的検査は速やかに改善された.非妊娠時におけるエチニール・エストラジオール負荷で妊娠後期と同様の臨床症状および生化学的変化が現われ,エストロゲンの増加が疾患の病因であることが証明された.血清γ-GTPは妊娠後期およびエチニール・エストラジオール負荷で下降した.エチニール・エストラジオールを添加抗原としたリンパ球幼若化試験は陰性で細胞性免疫の成立は認められずエストロゲンが肝へ直接作用することが強く示唆された.

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