非B型輸血後肝炎の臨床的検討 : 潜伏期間と予後との関連について
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概要
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輸血後肝炎にはB型肝炎と関連しない,非B型肝炎が存在することが明らかになってきたが,その肝炎の臨床的検討はまだ十分になされていない.著者は輸血後肝炎,特に非B型肝炎の症例について潜伏期間と予後を中心に臨床的検討を加えた.また肝機能異常が6ヵ月以上遷延した症例は全例組織学的検索を行なった.その結果,非B型輸血後肝炎39例を潜伏期間60日未満と60日以上の2群に分けると,60日未満の群には持続性肝炎,慢性肝炎に進行する症例が多かった.B型輸血後肝炎の9例でも潜伏期間60日未満の3例全部が持続性肝炎,慢性肝炎に進行し,60日以上の6例は6ヵ月以内に完治した.非B型輸血後肝炎で慢性肝炎に進行した群の潜伏期間が最も短かく,治癒群が最も長かった.また慢性肝炎に進行した群の年齢,発黄率,それに発病時の最高s-GPT値が持続性肝炎に進展した群,治癒群より高く,男性が女性より遷延する傾向が強かった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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