急性ウイルス性肝炎の予後一種々の遷延化因子とくにHBs抗原の消長とコルチコステロイドの使用について
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概要
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急性ウイルス性肝炎123例について,血清GOT, GPTが正常化するまでの期間により,I群(3ヵ月以内),II群(6ヵ月以内),III群(12ヵ月以内),IV群(1年以上)に分け,I,II群を治癒群,III, IV群をそれぞれ治癒遷延群,慢性化群とした.Hepatitis B surface antigen (HBs Ag)陽性肝炎と陰性肝炎に分けて遷延および慢性化因子をしらべ,血中HBs Agの消長とコルチコステロイド(CS剤)のもつ意義を検討した.有意差をもつ遷延および慢性化因子は合併症とCS剤の投与であったが,合併症を有し慢性化した例はCS剤の投与を受けており,合併症が強い慢性化因子とは考えられなかった.一方,HBs Ag陽性肝炎において,肝炎発症前および発症初期のCS剤の投与は,HBs Agの陰性化をさまたげ,持続陽性化およびGOT, GPTの持続高値の傾向をもたらし合併症を有する症例を除いて検討しても慢性化因子と考えられた.HBs Ag陰性肝炎では合併症を有しているためCS剤の功罪は不明であった.
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