肝性ポルフィリアの続発をみた肝内胆汁うっ滞症の1例
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概要
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28歳の主婦が定型的な肝内胆汁うっ滞症に罹患.約1カ月後皮膚の色素沈着.水疱,黒赤色尿の出現をみた.尿中ウロポルフィリン,コプロポルフィリンが増量し,自家蛍光法により肝内にポルフィリンを証明したが,赤芽球,赤血球,皮膚には認めず,母及び同胞全員の尿中ウロポルフィリンは正常であった.以上の所見より晩発性皮膚ポルフィリアと診断した.肝内胆汁うっ滞の成因を明らかにするため,薬物負荷試験を実施したがすべて陰性.HBc抗体は陽性であったがHBs抗原,抗体は共に陰性であった.本例では黄疸の減少と共に皮膚症状も消退した. <BR>現在,肝障害とポルフィリア発症の相互関係は明らかではないが,症例によっては肝細胞障害に基づくポルフィリンの代謝異常が成因的に有力視される.しかしながら本例は胆汁の流出障害がポルフィリア発症の誘因であることを示した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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