肝性昏睡の臨床的研究 : 臨床像ならびに検査成績
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
最近の17年間における肝性昏睡入院例102例の臨床像,検査成績を検討し,とくに,肝硬変に伴う肝性昏睡を,代償不全徴候の著明な時期に発症し,予後不良な急性型と,代償期に発症し,数カ月から数年の経過を有する慢性型に分けると,前者は,腹水を有するか血清総ビリルビン値3mg/dl以上で,コリンエステラーゼ値0.60ΔpH以下であり,後者は,発症1年以内の過去に腹水を認めず,ビリルビンは3mg/dl未満で,コリンエステラーゼが概ね0.60ΔpH以上であった.血中アンモニア値は,半数以上が高値を示したが,急性型では,4月から8月の季節で,200μg/dl以上の高値例は15%にすぎなかった.肝性昏睡の誘因は,70%が不詳で,消化管出血が18%,その他が12%であった.動脈血pHは,59%がアルカロージスで,肝癌合併例にのみアチドージスが認められた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
関連論文
- 肝性昏睡の臨床的研究 : 臨床経過ならびに予後について
- 肝性昏睡の臨床的研究 : 臨床像ならびに検査成績
- 門脈圧に対するOctapressinの影響
- 多発ニューロパチーを合併した肝原発悪性リンパ腫の1例 : 本邦報告例30例の文献的考察