抗痙攣剤服用者の高γ-Glutamyl transpeptidase : 血症の臨床的意義
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概要
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肝ミクロゾームの薬物代謝系酵素の誘導剤として知られる抗痙攣剤や向精神薬を服用している229例の精神神経科的疾患例を対象に血清γ-glutamyl transpeptidase (γ-GTP)活性を測定し,高γ-GTP血症と一般肝機能検査の異常の有無との関連について検討した.<BR>ICG試験を含めた肝機能検査成績に異常がなく,高γ-GTP血症を呈した症例は,てんかん例の75%にみられ,精神分裂病例の7%に比してその頻度は高い.各種の抗痙攣剤を3剤以上同時に併用している症例では,高γ-GTP血症を示す頻度(87%)や活性の上昇程度(平均93mU)が,2剤以下の服用例に比較していずれも高度であった.抗痙攣剤服用者の血清γ-GTP活性の増加は,これら薬剤に起因するいわゆる肝障害によるのでなく,抗痙攣剤による肝γ-GTP誘導を介して生じる可能性について考察した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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