酸性水溶液中における亜硝酸の自己分解
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
気相が共存しない状態で, 均一水溶液中の亜硝酸の消失速度を, 288〜313Kで測定して, 速度解析を行った.<BR>水溶液中での亜硝酸の自己分解は, 既往の気液系で行われた研究で導かれている素過程にしたがって起こるが, 気相が存在しない場合には, 溶解度の小さい生成物である一酸化窒素の放出が抑制され, 気液系では無視できる逆反応の影響が大きくなる.<BR>また, 亜硝酸は自己分解で消失するだけではなく, 溶存酸素による液相酸化によっても消失する.この反応系においては, 亜硝酸の自己分解における迅速な第1素過程で生成する一酸化窒素の溶存酸素による液相酸化が律速過程である.<BR>以上の考察に基づいて, 溶存酸素が存在する水溶液中における亜硝酸の総括消失速度を, 一酸化窒素の液相酸化速度を考慮して導いた.また, 総括反応速度定数および総括反応平衡定数の温度依存性を明らかにした.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
-
谷垣 昌敬
京都大学工学研究科
-
(故) 江口
京都大学工学部 化学工学科
-
武藤 邦夫
富士写真フィルム (株)
-
土屋 博嗣
日本鋼管 (株)
-
後藤 英司
三菱重工 (株)
-
佐藤 俊樹
(株) 神戸製鋼所
-
谷垣 昌敬
京都大学工学部 化学工学科
関連論文
- 延伸法によるPTFE膜の構造制御と機能
- 日本技術者教育認定機構(JABEE)と化学工学会の取り組み
- 沈降場流動分画法による粒子径測定における溶離液の影響
- 押出機実験による導体被覆プロセスの特性解析
- 乳化型液膜による硫酸酸性水溶液からの6価クロム回収操作における透過モデル
- 乳化型液膜操作による硫酸水溶液中の6価クロムの連続回収
- 静電分散を利用する擬液膜操作(ESPLIM)による有価成分の濃縮・回収
- 化学分野における試行
- 一酸化窒素の溶存酸素による液相酸化速度
- 亜硝酸によるヨウ素イオンの酸化速度
- 酸性水溶液中における亜硝酸の自己分解
- 機能性合成高分子膜の応用展開 [VII] : チアントレン誘導体含有高分子膜による亜硫酸ガス分離
- N,N′-ビス(サリチリデン)ジプロピレントリアミンコバルト塩を含む液膜による酸素の担体輸送機構
- Novel membrane transport system for amino compounds - Amino acid transport.:Amino Acid Transport