マルトース・グルコースの分離における擬似移動層式クロマト分離操作と回分式クロマト分離操作の分離効率の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マルトースは食品工業において大量に使用されている甘味料である.マルトースは主に可溶化デンプンのアミラーゼによる加水分解反応によって生産されているが, この段階で約10%程度のグルコースが副産物として生成され, マルトースとグルコースの分離が問題となる.<BR>これら2成分は強酸性イオン交換樹脂によるクロマト分離法によって分離することができる.しかし, 分配係数の差が小さく, 通常の回分式クロマト分離操作では, 処理速度が遅く, 大量にマルトースを分離・精製するには難点も多い.<BR>擬似移動層型クロマト分離装置は, 1本のカラムを数本あるいは十数本に分割し, 液の供給・取り出し口を液流れ方向にカラム1本分づつ切り換えることにより, 液と樹脂の向流接触を可能にした装置であり, 強吸着性成分は樹脂移動方向に, 弱吸着性成分は液移動方向に移動するように操作することにより, 2成分の連続分離を可能にする.この連続クロマト分離法は, グルコース, フラクトースのように分離の難しい成分の分離に特に適しているとされており, 実験的, 理論的研究も多い しかし, 回分式クロマト分離法との比較の観点から分離効率を検討した研究は見当らない.<BR>そこで, 本報においては, マルトース・グルコースの分離系について, 回分式クロマト分離法と擬似移動層式クロマト分離法の分離効率を比較, 検討する.ただし, 擬似移動層の操作の複雑さや装置コストは考慮せず, 分離効率の観点からのみ, これら2つの方式を, 実験および計算機シミュレーションの両面から比較した.
著者
関連論文
- 新科学技術のパラダイムを求めて
- LPI法による気相成長炭素繊維の高速成長に寄与する炭化水素
- REYゼオライン触媒による廃プラスチック熱分解油の接触分解反応の活性劣化
- 食品工学概説
- 脂質の粉末化と酸化抑制
- 1. 凍結濃縮における氷結晶の成長と核発生(昭和61年度第32回凍結及び乾燥研究会研究報告)
- 多様なエネルギー資源の利用 (10年後の化学技術はどうなるか)
- 移動層技術の利用状況と将来性
- 植物工場への太陽電池の導入とその波及効果の検討
- 非ニュートン流体の通気攪拌伝熱
- 攪拌槽内のエネルギー消散速度分布とその液-液分散および固-液物質移動への影響
- 結晶内拡散, 結晶内・外表面の酸特性を考慮したHZSM-5ゼオライト触媒によるトルエンのメチル化反応の活性と選択性の解析
- 氷晶結の2次核発生および成長と凍結濃縮
- 動物細胞の培養工学
- カラム液体クロマトグラフィーの連続化に関する基礎的研究とそのバイオリアクターへの応用
- マルトース・グルコースの分離における擬似移動層式クロマト分離操作と回分式クロマト分離操作の分離効率の比較
- 固体触媒の劣化・再生のモデリング
- 棒状基板型CVD反応器によるシランからの多結晶シリコン製造反応の速度解析 (CVD) -- (膜・表面処理)
- 擬似移動層型吸着分離装置の簡易設計法
- 各種有機物で改質した石炭,フェノ-ル樹脂から製造した分子ふるい炭素(MSC)の吸着特性
- 石炭,バイオマス,廃プラスチックの高効率共熱分解法の開発 (化石エネルギ-利用技術) -- (熱分解・液化・処理技術他)
- 石炭-メタノ-ルスラリ-の迅速熱分解 (化石エネルギ-利用技術) -- (熱分解・液化・処理技術他)
- Mechanism of ice-crystalization and freez concentration.