分子サイズによる限外濾過阻止特性の評価
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概要
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UF膜の阻止特性は “分画分子量” で表示されるが, 実際の分画分子量および分子量による阻止率は濾過物質によって異なる.これは基本的にはUFの濾過原理がふるい効果であることに起因していると考えられる.タンパク, デキストラン, ポリエチレングリコール (PEG) の分子量較正曲線を同一GPCカラムで作成する方法, および超遠心法で測定した拡散係数から計算したStokes半径の比較より分子サイズと分子量の関係を求めた.三種類の膜を用い, GPC法を利用して等分子サイズのデキストラン, PEG, ポリビニルピロリドンの阻止率を比較した.更に7種類のタンパクの阻止率を等しいStokes半径のデキストラン, PEGの阻止率と比較した.その結果, 同分子量の異なる物質はそれぞれ異なる分子サイズを持ち, ふるい効果以外の影響を充分抑えることができれば, UF膜の阻止率は濾過物質の分子量ではなく, 分子サイズによって決まることを明かにした.従ってUF膜の分画阻止特性は, 分子量ではなく, 分子サイズを用いて細孔のふるい効果で解析する必要があると考えられる.
- 社団法人 化学工学会の論文
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