振動ボールミルによる液中粉砕における媒体運動ならびに初期粉砕速度に及ほす媒液粘度の影響

概要

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媒液を充満した2次元振動ミル内のボールの運動について, VTR撮影による画像解析ならびに離散剛体要素法による数値計算により検討し, さらにガラスビーズを用いた粉砕実験より, 媒液粘度がボールの運動ならびに初期粉砕速度に及ぼす影響について調べた.<BR>その結果, 流体の粘性抵抗力に対し, 壁効果や液体の流動に対する修正係数を導入することにより, 液中のボールの運動についてもある程度妥当なシミュレーションが可能となった.そして, 12.7mmの鋼球を用いた本実験条件では雰囲気の流体粘度が0.01Pa・s程度以上になると, ボールの衝突強度は急激に減少するが, 全衝突頻度はあまり大きく変化しない傾向が認められた.また, ある一定の粒子破壊強度以上の強度を有するボールの衝突頻度 (有効破砕衝突頻度) は流体粘度の増大に伴って減少し, その減少率は粒子破壊強度の増加とともに大きくなった.<BR>さらに, ガラスビーズの初期粉砕速度定数も, 本実験条件では流体粘度が0.01Pa・sを越える辺りから急激に低下し, 実験的に決定された初期粉砕速度定数と離散剛体要素法により求められた有効破砕衝突頻度との間に対応関係が認められた.
社団法人化学工学会の論文