鶏卵脂肪酸組成とα-トコフェロール量に及ぼす飼料中亜麻仁油の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
採卵用のニワトリDekalb XL-Lの245日齢, 体重1.9kgを用い飼料に亜麻仁油を0, 1, 2, 4, 5.9%添加し, 35日以上飼育の後, 卵黄の脂肪酸組成とビタミンEに及ぼす影響をみた。<BR>1) 飼料中の亜麻仁油を増加させても, 対照群に比べ, 鶏卵重量や卵黄重量には有意な変化はみられなかった。<BR>2) 飼料中の亜麻仁油の割合を増加させても対照群に比べ, 卵黄中の総脂質, 中性脂質, 極性脂質量には変化が認められなかった。<BR>3) 卵黄総脂質中のパルミチン酸やリノール酸 (LA (18: 2, ω6)) はほぼ一定値を保持した。ステアリン酸はやや上昇し, σ-リノレン酸 (LNA (18: 3, ω3)) やエイコサペンタエン酸 (EPA (20: 5, ω3)) は飼料中の亜麻仁油量の増加にほぼ対応して増加した。<BR>4) それに対しオレイン酸は緩やかな減少を示した。ω6系列のアラキドン酸 (AA (20: 4ω6)) は著しく低下し, ドコサヘキサエン酸 (DHA (22: 6, ω3)) は亜麻仁油の1%添加群でほぼプラトーに達しそれ以上添加しても大きな変化はみられなかった。卵黄脂質のω3/ω6系脂肪酸比率は亜麻仁油添加量0, 1, 2, 4, 5.9%に従い, 0.11, 0.31, 0.44, 0.69, 0.92となった。<BR>5) 卵黄中のビタミンE量は亜麻仁油1%添加群で減少傾向をみせ, 2%以上になると有意に減少した。亜麻仁油1%添加群の飼料ω3/ω6脂肪酸比率は, 0.43であった。
著者
-
鈴木 和彦
岡山県立大学保健福祉学部栄養学科
-
鈴木 和彦
岡山県立大学 保健福祉学部栄養学科
-
川村 悦春
中部飼料株式会社大府研究所
-
大森 豊緑
厚生省健康政策局総務課
-
岡田 利孝
中部飼料株式会社大府研究所
-
小栗 広青
中部飼料株式会社大府研究所
-
鈴木 和彦
岡山県立大・保健福祉学部・栄養学科
関連論文
- 肥育牛への発酵バガスの給与が第一胃の性状ならびに肥育成績に及ぼす影響
- 健康づくりのための生活調査
- 日本の7地域における女子学生の摂取食品からみた食生活
- 保健・医療と福祉 : 公衆衛生の立場から
- 糖尿病患者の食事内容と血漿及び赤血球膜脂肪酸組成との関連性
- 血液透析患者の血漿リゾリン脂質濃度と脂質栄養状態
- α-リノレン酸強化鶏卵摂取によるヒト血漿ω3/ω6脂肪酸比の変化
- 鶏卵脂肪酸組成とα-トコフェロール量に及ぼす飼料中亜麻仁油の影響
- 簡易食物摂取頻度調査法の改定とその妥当性の検討
- Alterations of Phospholipid and Triglyceride Metabolism in Fatty Liver Caused by Pyridoxine Deficiency in Rats
- Role of Glucose on Fatty Liver Formation in Pyridoxine-Deficient Rats
- FACTORS AFFECTING LIVER LIPID CONTENT IN PYRIDOXINE-DEFICIENT RATS : I. DIETARY PROTEIN LEVELS
- 岡山県倉敷市における健康成人の栄養調査
- 加齢に伴う血漿α-トコフェロール濃度の変動
- 岡山県における健康づくりのための生活調査に開発したMicrosoft Excelを用いる簡易食物摂取頻度調査法
- 米国との比較によるわが国の在宅ケアの展望
- わが国における在宅ケアの現状と展望