テアンデロースの<I>in vitro</I>消化性および腸内常在細菌による資化性
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概要
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ヒト生体内における糖質の消化条件に適応する, <I>in vitro</I>消化試験系により, テアンデロースの消化性を調べた。その結果, 唾液アミラーゼと膵液アミラーゼではまったく消化されず, 胃酸により3.7%がイソマルトースとフルクトースに分解された。さらに小腸粘膜酵素では58.2%が消化され, グルコース, フルクトース, シュクロースが生成されることが明らかとなった。小腸以前の上部消化管で消化吸収されるテアンデロースは, 摂取量の約6割であると推定された。この結果は, 摂取したテアンデロースの一部は消化吸収されずに大腸まで到達することを示唆している。<BR>また, ヒトの腸内常在細菌117株による, テアンデロースの資化性試験を行った。その結果, テアンデロースは<I>B. bifidum</I>を除く<I>Bifidobacterium</I>属の菌株に良好に利用され, <I>Clostridium</I>属や<I>Escherichia</I>属の菌株にはほとんど利用されなかった。さらに, テアンデロースの<I>Bifidobacterium</I>属に対する資化性は, フラクトオリゴ糖より強く, また, それに対する選択性も高かった。以上の結果から, テアンデロースは, 可消化性であるが消化酵素での分解率が低いため, 一部は大腸にまで到達し, 腸内常在細菌のなかの<I>Bifidobacterium</I>属を, 選択的に増殖させるオリゴ糖であることが示唆された。
著者
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清水 俊雄
旭化成工業
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和田 光一
カルピス食品工業
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竹田 裕彦
旭化成工業株式会社食品事業部食品技術研究グループ
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下川 久俊
旭化成工業株式会社食品事業部食品技術研究グループ
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竹田 裕彦
旭化成工業株式会社食品技術研究グループ
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清水 俊雄
旭化成工業株式会社食品技術研究グループ
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下川 久俊
旭化成工業株式会社食品技術研究グループ
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