乳糖不耐症者による牛乳とヨーグルト飲用後の呼気中水素と腹部症状の相違
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概要
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乳糖不耐症者30人を対象としてhydrogen breath testによりヨーグルトの乳糖不耐症軽減効果について検討した。牛乳300mlの投与試験では呼気中水素濃度最大上昇量が平均150±70 (SD) ppmであったのに対して, ほぼ同量の乳糖を含むヨーグルト500mlを投与した際は呼気中水素濃度最大上昇量が平均32±33 (SD) ppmまで有意に低減した。また, 腹部症状についてもほとんどの被験者において牛乳と比較しヨーグルト投与後のほうが軽度であった。<BR>乳酸菌<I>L. delbrueckii subsp. bulgaricus</I> 2038株と<I>S. salivarius subsp. thermophilus</I> 1131株を使用して調製した典型的なヨーグルト中のβ-ガラクトシダーゼ活性は, 調製した翌日で平均3.65U/mlであり, 5℃で15日間保存すると2.74U/mlとなった。本ヨーグルトを<I>in vitro</I>消化試験に供したところ乳糖分解率は消化6時間後で50.9%であった。このモデル試験の結果からヨーグルト中の乳酸菌のβ-ガラクトシダーゼは胃内でpHが2.0程度にまで低下すると不可逆的に失活するが, 失活する以前に小腸に排出されたヨーグルト中の乳酸菌のβ-ガラクトシダーゼが小腸内で作用し乳糖を分解するものと推定された。
著者
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