手指先端部壊疽を合併し,ビタミンAで皮疹が著明に改善した皮膚筋炎の1例
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概要
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手指先端の壊疽を伴い,ビタミンA内服後皮疹及び末梢循環不全が著明に改善した皮膚筋炎の1例を報告する.症例は39歳の女性.手掌,顔面の紅斑,発熱で発症し,その後次第に筋力低下を伴うようになった.ステロイド剤治療に抵抗し,サイクロフォスファマイド,アザチオプリン投与により,筋力はほぼ正常化した.しかし,その後手指循環不全の増悪化に伴い左第5指先端に壊疽が出現し,筋生検と血管造影により,血管炎によることを証明した.ビタミンAの内服を開始したところ,壊疽部は自然脱落し,皮疹と末梢循環不全が著明に改善した.皮膚筋炎に明らかな血管炎を伴い,皮疹にビタミンAが奏功した,成人では極めて珍しい症例で,皮膚筋炎の病態考察上示唆に富むものと考えられた.
著者
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近藤 啓文
北里大学内科
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鎌谷 直之
東京女子医大付属膠原病リウマチ痛風センター
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遠藤 平仁
北里大学内科
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柏崎 禎夫
東京女子医大リウマチ痛風センター
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大迫 聡美
東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター
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大迫 聡美
東京女子医科大学
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