小児I型糖尿病例における免疫グロブリン
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概要
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小児I型糖尿病例における免疫グロブリン(IgG, A.M)濃度と膵島細胞抗体(ICA)および罹病期間との関連,日本人I型小児糖尿病例における選択的IgA欠損症の頻度などを明らかにするために, I型小児糖尿病123例について,各免疫グロブリン濃度を測定し,以下の結論を得た.1)小児I型糖尿病におけるIgA濃度は,正常小児に比し有意に高値となった. 2)罹病期間と各免疫グロブリン濃度との間には,一定の傾向は存在しなかった. 3)ICAの有無で各免疫グロブリン濃度を比較したが, ICA陽性群,陰性群の間で差はなかった. 4)罹病期間およびICAの有無との関連で,各免疫グロブリン濃度をみた場合, IgMに関しては,罹病期間1年未満で, ICA陽性群において陰性群よりも有意に高値を示した. 5)123例中2例(1.6%)において,選択的にIgAが欠損しているのが認められた.以上より,発症早期のICA陽性例ではIgM値が高く, ICAの出現とウイルス感染が何らかの関与をしている可能性があること,小児I型糖尿病におけるIgA欠損症の頻度は,欧米に比し,やや低値を示すことが示唆された.
著者
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岡 暢之
島根医科大学第一内科学教室
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野津 和巳
島根医科大学
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野手 信哉
島根医科大学 第一内科
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野津 和巳
島根医科大学第1内科
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香月 進
島根医科大学第1内科
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久野 昭太郎
近畿つぼみの会
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鍋谷 登
近畿つぼみの会
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一色 玄
近畿つぼみの会
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桜美 武彦
国立霧島病院
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岡 暢之
島根医科大学第1内科
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野手 信哉
島根医科大学第1内科
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