エチレングリコールを用いた牛の体内,体外受精凍結胚の直接移植
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概要
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ホルスタイン種経産牛(4~7歳)7頭と黒毛和種牛(6歳)の1頭,計8頭から自然発情による人工授精,または過剰排卵処置による人工授精後7~8日目に非外科的に回収した26個の体内受精胚と屠場由来黒毛和種卵巣より採取した卵子を常法[1,2]により体外受精し,その7~8日目に得られた体外受精胚の31個を実験に供した.これらの胚を室温(25C)で1.8Mエチレングリコール(ethyleneglycol;EG)を含む10%牛血清加リン酸緩衝液(phosphatebufferedsaline;PBS)内に直接浸漬して10分間保持した後,0.25mlプラスチック製ストロー内に封入しOCに設定したプログラムフリーザー(ET-1,富士平工業KK)のアルコール液槽内に浸漬した.その後,毎分1Cの速度で冷却し,-7Cで植氷した後,同温度で10分間保持した.次いで,体内受精胚では毎分0.3Cまたは0.5Cの速度別に,体外受精胚では毎分0.3Cの速度で一30Cまで冷却した後,液体窒素中に浸漬し20日間保存した.融解は液体窒素中から取り出したストローを30Cの微温水中に浸漬して行い,そのまま移植器にセットして,性周期を同調したホルスタイン種経産牛(3~6歳)の8頭,同未経産牛(14~16月)の37頭,計45頭に移植した.その結果,体内受精胚では0.3Cと0.5Cの冷却速度別に9/10(90%)と2/16(12.5%)が受胎し,前者で有意(P<0.01)に高い成績が得られた.また,体外受精胚でも0.3Cの冷却速度区で12/19(63.3%)の受胎率が得られ体内受精胚と同様の成績が示された.
著者
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大江 正人
山口大学 大学院
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鈴木 達行
山口大学大学院連合獣医学研究科
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高木 光博
山口大学大学院連合獣医学研究科
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山本 政生
山口大学大学院連合獣医学研究科
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大江 正人
山口大学大学院連合獣医学研究科
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