牛直腸内への臭化プリフィニウム投与による直腸の蠕動運動抑制効果
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概要
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臭化プリフィニウムの200mgを経産と未経産牛別に2頭ずつ計4頭の直腸内に,75mgを経産牛2頭の静脈内に投与後,改良したヒト分娩監視装置のセンサーを直腸内に挿入して蠕動運動抑制効果を調べた.直腸内投与例ではいずれも投与後蠕動運動の抑制反応が20秒から44秒以内に現れ,10分から50分間持続した.しかし,この間2~8回に亘って18~40mmHgの単発的直腸の収縮がみられた.静脈内投与例では投与後10秒以内に抑制反応がみられ44分から50分間持続し,一例ではこの間2回に亘って5~18mmHgの弱い直腸の単発的収縮がみられた.次いで臭化プリフィニウムの200mgと75mg別に供卵牛25頭と17頭,受卵牛77頭と26頭について,それぞれ直腸内と静脈内に投与して採卵並びに移植を行い,直腸の蠕動運動の抑制効果を調べた実験では,直腸内と静脈内投与別に供卵牛で25頭中19頭(76%)と17頭中15頭(88%),受卵牛では77頭中68頭(88%)と26頭中25頭(96%)で有効と判定された.
著者
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鈴木 達行
山口大学大学院連合獣医学研究科
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サハ スクマル
山口大学大学院連合獣医学研究科
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音井 威重
徳島県肉畜試
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高木 光博
山口大学大学院連合獣医学研究科
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山本 政生
山口大学大学院連合獣医学研究科
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大江 正人
山口大学大学院連合獣医学研究科
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月原 隆志
山口大学大学院連合獣医学研究科
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福島 義信
島根県経済農業協同組合連合会畜産新技術センター
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