〈吃音問題の本質をさぐる〉吃音幼小児に対する発達支援の方法
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概要
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発話流暢性は幼児期にことばの発達のなかで獲得され,その自律性が確立する.それは学習を前提として進められるものであり,言語学的,生理学的基礎をもつ.ゆえに,吃音の問題は発達的視点からとらえることがまず必要である.吃音は“治らない”とする固定観念が浸透しつつある.おそらく多数の成人吃音者の態様の観察結果から生まれた考えであろうが,彼らの大多数は早期に最も必要な流暢性の発達援助を得られずにきたのである.幼小児の吃音は,いわゆる“治す”という観点からではなく,その子どもの今もっている流暢性のほうを伸ばし確かなものにしていくという発達支援の方法によって,間接的にしかも自然に消去することが大いに可能であろう.
著者
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