IgA腎症の成因解明に関する最近の動向
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
IgA腎症は最初の報告(1)以来20年以上経過し,従来から本症の多発地域とされてきたアジア・太平洋諸国と南ヨーロッパ以外でも腎生検の普及に伴って症例数が増加し,現在では全世界でもっとも患者数が多い腎炎とみなされるようになった。しかも全症例の1〜2割は徐々に末期腎不全へ移行し,腎移植後の再発例からも腎不全再移行例が報告されるようになったため,本症の成因解明とそれに基づいた根本的治療法の開発が世界的に強く要望されている。 本症の発症がIgAを主体とする免疫複合体の腎糸球体沈着によるものであることは,現在ほぼ国際的にも合意が成立し異論は少ない。しかし本講演の目的は本症成因解明の最近の動向を報告するものであるため,このような免疫複合体起因論の根拠や1988年以前の知見については筆者の1989年度の総説(2)を参照されたい。以下の本稿では1989年以降に発表された知見に基づいて報告する。
著者
関連論文
- 69) 重症心不全をきたした甲状腺クリーゼの一症例
- 急速進行性腎炎症候群の診療指針
- 糖尿病性腎症の新しい早期診断基準
- 二次性副甲状腺機能亢進症における異所性副甲状腺に対しPCIT (percutaneous carcitriol injection therapy)が有効であった1症例
- 小腸angiodysplasiaにより出血をきたした透析患者の1例
- 遡及的診療録調査による有害事象の把握に関する研究 : 特定機能病院における有害事象の発生頻度と予防可能性の検討
- 遡及的診療録調査における有害事象把握の方法論に関する研究 : 医師判定の信頼性に関する検討
- 有害事象把握のための診療録レビューにおける看護師スクリーニングの信頼性の検証
- 医療事故の全国的発生頻度に関する研究における有害事象の判定基準について
- 成人発症の微小変化型ネフローゼ症候群における組織学的相違と臨床予後の検討
- 尿所見に乏しいものの多彩な腎病変を認めた抗リン脂質抗体症候群を合併したループス腎炎の1例
- 著明な好酸球増多と浮腫を認めた2例
- 関節リウマチに多彩な腎組織像を呈した1例
- ブラッドアクセス感染症に続発しMRSA咽後部膿瘍を発症した慢性維持血液透析患者の1例
- サイトカインと糖尿病性腎症
- 難治性ネフローゼ症候群(成人例)の診療指針 : 平成13年度までの調査研究より
- 2型糖尿病に自己免疫性膵炎を合併した1例
- 腹膜透析液中のAGE化蛋白の解析
- 2型糖尿病患者の糖尿病負担感に関する因子の重要度分析
- インシデントリポート情報のコード化と登録システム開発
- インシデントリポート情報のコード化とシステム開発
- 尿検査・腎機能検査を診療に活かすには
- ステロイド補充後, 甲状腺機能, GRHおよびLH-RH負荷試験正常化を示したACTH単独欠損症の1例
- 尿検査・腎機能検査を診療に活かすには
- 実験的 Sjogren 症候群の研究 : 第2編 ラット顎下腺ミクロソームあるいは可溶性分画を用いた同種免疫法による検討
- 特別発言 糖尿病患者における易感染性とその機序について
- Insulin-receptorにかんする研究 : Sjögren症候群の耐糖能異常との関連
- IgA腎症の成因解明に関する最近の動向