伊豆半島西岸松崎低地の完新世における環境変遷

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概要

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1. 沖積層の堆積環境を解明することを目的として, 伊豆半島西岸の松崎低地において掘削を実施し, 連続試料を得た。<BR>2. 採取された試料について, 堆積物の観察, C-14年代測定, 火山灰分析, および貝類・有孔虫類・介形虫類・珪藻類化石の解析を行った。その結果, 次のようなことが明らかになった。<BR>(1) 9,000〜8,000年前, 本地域全体に海進が及び, 干潟が形成された。<BR>(2) 8,000〜6,000年前の間, 海水準の上昇に伴って水深が増加し, 外洋水の影響が強くなっていった。<BR>(3) 6,000年前以降, 河川による埋積, 砂堆による閉塞のために, 海域の水深は減少し, 5,000年前以降, 湾奥部は再び干潟環境に変化していった。<BR>3. 本地域で確認された沖積層の海成層上限高度は-5mで, その年代は約4,000年前と推定される。この事実は, 本地域の完新世における沈降傾向を示唆するものである。
社団法人東京地学協会の論文

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