生存期間別にみた大腸癌腹膜播種性転移症例の臨床病理学的検討
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概要
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家族性大腸腺腫症,大腸多発癌および大腸癌局所切除例を除き,大腸癌腹膜転移の有無が確定された985例を対象として,腹膜転移例の79例(P群)と腹膜転移のない906例(N群)を比較するとともに,P群を2年未満に死亡した群(Pa群;63例)と2年以上生存した群(Pb群;16例)に分けて比較検討した.N群とP群の性別には差はみられなかったが,年齢はP群では有意に低かった.右側結腸癌の腹膜転移率は17.5%と腹膜転移頻度は最も高かった.しかし,腹膜転移例の大腸癌切除率は右側結腸では74.2%と比較的良好な値を示した.肝,リンパ節転移はそれぞれN群では9.4%,46.4%,P群では46.8%,94.1%とP群はそれぞれ高率であった.P群のうち相対非治癒症例は11例あり,累積生存率は4年45.5%,5年で22.7%と比較的良好であった.以上より,腹膜転移陽性例では相対非治癒手術の可能な場合には,腹膜転移巣を含めた積極的な外科的切除が重要であると思われた.
著者
-
奥野 匡宥
大阪市立総合医療センター外科
-
西口 幸雄
大阪市立大学 大学院医学研究科・腫瘍外科
-
曽和 融生
大阪市立大学医学部第1外科
-
長山 正義
大阪市立大学
-
池原 照幸
大阪市立大学医学部第1外科
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