肝細胞癌切除後残肝再発に対する繰り返し肝切除例の遠隔成績と術後QOLの検討
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概要
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肝細胞癌(以下, HCC)切除後残肝再発に対する繰り返し肝切除例の臨床病理学的因子, 生存率, quality of life(以下, QOL)を検討した. 過去15年間に施行したHCC切除153例中73例(48%)に残肝再発を認め18例(25%)に延べ26回の繰り返し肝切除(2回肝切除13例, 3回肝切除2例, 4回肝切除3例)を行った. 男性11例女性7例, 年齢は55〜76歳(平均68歳), ICG-R15値は3〜37%(平均21%), 術式は亜区域以上の切除4回, 尾状葉全切除2回, 小範囲系統的切除18回, 核出2回であった. 切除腫瘍数は1〜5個(平均1.8個), 腫瘍径はO.7〜4.4cm(平均2.0cm), 手術時間は240〜660分(平均430分), 出血量は500〜4,600g(平均1,490g), 術後在院期間は11〜50日(平均26日)で耐術例は全例社会復帰しQOLは初回肝切除例と同等であった. 2回目肝切除時起算の5年生存率は67%で対象153例の1回目肝切除時起算の5年生存率50%と同等であった. HCC切除後残肝再発に対する繰り返し肝切除は短い在院期間で良好な予後とQOLが得られた. 切除可能例には繰り返し肝切除が第1選択の治療法と思われた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1999-04-01
著者
-
奥野 匡宥
大阪市立総合医療センター外科
-
東野 正幸
大阪市立総合医療センター消化器外科
-
東野 正幸
大阪市立総合医療センター 消化器外科
-
藤本 泰久
大阪市立住吉市民病院外科
-
藤本 泰久
大阪市立総合医療センター消化器外科
-
水上 健治
大阪市立総合医療センター消化器外科
-
高島 勉
大阪市立大学腫瘍外科
-
有本 裕一
大阪市立総合医療センター外科
-
高島 勉
大阪市立総合医療センター
-
奥野 匡宥
湯川胃腸病院外科
-
藤本 泰久
山梨大学 医学部 第三内科
-
水上 健治
大阪市立総合医療センター外科
-
奧野 匡宥
大阪市立総合医療センター消化器外科
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