I 腫瘍マーカーによる大腸癌再発の予知
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概要
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大腸癌再発予知のために有用と考えられる各種腫瘍マーカーについて,知っておくべき基礎的知見と実際の使用上の注意について解説した.CEAとCA19-9の2種類は分化型腺癌で臨床的有用性が高く最も一般的な腫瘍マーカーであるが,肝炎,肝硬変,その他の良性疾患でも時に偽陽性となることがある.CEAの急激な上昇は肝転移によることが多く,逆に肺転移のみの場合はCEAの陽性率は低いので注意が必要である.CA19-9はLewis(a-,b-)の症例では一般に上昇しないと考えられ,そのような場合には他の腫瘍マーカーを用いるべきである.ST-439は癌における陽性率は前二者に比べて低いが,良性疾患での偽陽性率は低く特異性にすぐれている.Sialyl-Tnは粘液癌の再発の診断に有用である.CA125は腹膜転移の診断に有用であるが,良性の胸腹水貯留あるいは開腹術後等の場合に陽性となることがある.以上,個々の腫瘍マーカーの特性をわきまえ,適応に応じて選択することが重要である.
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