Isosorbide 5-mononitrateの心機能並びに血行動態におよぼす影響(II) : 前負荷および後負荷に対する作用
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概要
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ペントパルビタール麻酔開胸大を用いて,isosorbide 5-mononitrate(5-ISMN)の心機能ならびに血行動態に及ぼす影響を検討するとともに,これを塩酸ベラパミルおよび塩酸プロプラノロールと比較検討した.5-ISMN(3 mg/kg)の静脈内投与により,収縮期血圧(SBP)は有意に低下し,また心臓の一回拍出量(SV),分時拍出量(CO),心仕事量(CW)および右心室圧(SRVP)は有意に減少した.平均肺動脈圧(MPAP),平均肺動脈楔入圧(MPCWP)および平均右心房圧(MRAP)は90分以上持続する有意な減少を示した.心拍数(HR)は一定の傾向を示さず,また全末梢血管抵抗(TPR)も減少する傾向を示したが,有意な変化ではなかった.一方,塩酸ベラパミル(0.3 mg/kg)の静脈内投与により,全身血圧とくに拡張期血圧(DBP)は著明に低下した.HR,TPRおよびCWは著明に減少し,SRVPおよびMPCWPは減少する傾向を示した.SVは著明に増加し,MPAPおよびMRAPも増加する傾向を示した.また塩酸プロプラノロール(0.5 mg/kg)の静脈内投与により,SBPはわずかに低下した.HR,SRVP,CO,CWおよびMPAPは有意に減少し,MPCWPも減少する傾向を示した.SVは著明に増加し,TPRもわずかに上昇する傾向を示した.以上のことから5-ISMNは主に前負荷を減少し,これに加えて後負荷減少作用も心筋酸素消費の軽減に有利にはたらくものと思われる.一方,塩酸ベラパミルは後負荷の減少および心抑制が,また塩酸プロプラノロールは主に心抑制が,それぞれ心筋酸素消費の軽減に関与しているものと推察される.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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