Cinobufaginの一般薬理作用 ―Digitoxinとの比較―
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概要
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動物性強心ステロイドのcinobufagin(CB)と植物性強心ステロイドのdigitoxin(DT)の一般薬理作用を比較した.CBあるいはDTにより自発運動の低下,酢酸ライジングの抑制,睡眠延長,筋弛緩,体温降下,下熱,呼吸興奮,局所刺激,強心などの作用が共通して認められた.CB投与によってのみ認められた作用は赤血球膜安定化,小腸輸送能抑制作用であった.DT投与によってのみ認められた作用は瞳孔の散大,神経筋接合部伝達の促進,胃液分泌の抑制,抗炎症,利尿作用であった.これらの作用の発現はCBでは速く経口投与後30分から1時間で発現するのに対しDTでは遅く経口投与後3から4時間で発現した.また摘出臓器に対する作用として,CBとDTは1×10<SUP>-6</SUP>Mでモルモット摘出回腸を収縮,それに続く弛緩,自動運動の停止を起こさせ,摘出気管を弛緩,摘出動脈片を収縮させた.また,ラットの発情問期の摘出子宮の収縮を両薬物は1×10<SUP>-4</SUP>Mで軽度に増強させた.摘出輸精管,胃条片に対する両薬物の単独作用は認められなかったが,CBは両臓器の薬物による収縮に影響を与えた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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平井 康晴
救心製薬(株)総合研究所
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森下 信一
救心製薬(株)総合研究所
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齋藤 隆
救心製薬(株)総合研究所
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三島 泰宏
救心製薬(株)総合研究所
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水谷 睦
救心製薬(株)総合研究所
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川上 萬里
救心製薬(株)総合研究所
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