Mirror staircase testに対する各種薬物の影響
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概要
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それぞれの幅20cm,高さ6cm,奥行き15cmの階段を5段に組み立てた,高さ30cm,長さ95cm,幅20cmの木製の装置(staircase)の全面に鏡を内張りし,内側のすべての面が鏡で出来た装置(mirror staircase)を新たに考案し,この装置を用いてラットの不安,探索行動の成分である立ち上り回数と階段を昇る回数を指標とする種々の基礎的検討を行った.staircase test(non-mirror)と比較してmirror staircase testの方が,不安を示唆すると思われる立ち上り回数が多く,しかも個体差が少なくなった.1匹のラットを用いたmirror staircase testと2匹同時に装置内に置いたmirror staircase testおよびnon-mirror staircase testの3者の結果を比べてみると,初めの3分間の立ち上り回数は,1匹のラットを用いたmirror staircase testが最も高い数値を示した.また,mirror staircase testにおけるnitrazepam,phenobarbital,morphineの作用は,non-mirror staircase testの場合と比較して用量―効果の相関には大差がなかった,以上のように,新しく考案したmirror staircase testを用いてラットを新しい環境に置いた時の立ち上り回数および階段を昇る回数を指標とした行動は,本質的にはnon-mirror staircase testの場合とほぼ同様であった.しかし,鏡に写る自分自身の像に対する異常な反応や,鏡の物理的性質による刺激,緊張の持続性により,mirror staircase testの方が不安を示唆すると思われる立ち上り行動がより多く,また反復テストでもnon-mirror staircase testより標準誤差が小さい(個体差が少ない)という点など,抗不安薬の検定法として優れているものと思われる.なお同種の動物より鏡に写る自分自身の豫の方がより強い刺激となっていることは興味深い.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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