モルモット視床下部スライスにおけるEpinephrineの取り込み,遊離およびシナプス前α<SUB>2</SUB>受容体を介する遊離制御
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概要
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視床下部に含まれているepinephrine(E)が神経伝達物質であるかどうかを確かめるために,モルモット視床下部スライスにおける[<SUP>3</SUP>H]Eの取り込み,[<SUP>3</SUP>H]Eおよび内因性E遊離を検索した.[<SUP>3</SUP>H]Eの取り込みには,高親和性および低親和性の2つの機構が存在し,高親和性取り込みのKm<SUB>1</SUB>=7.7×10<SUP>-8</SUP> M,V<SUB>max1</SUB>=0.13 pmoles/mg/10分,低親和性取り込みのK<SUB>m2</SUB>=1.8×10<SUP>-6</SUP> M,V<SUB>max2</SUB>=1.4 pmoles/mg/10分であった.ガスクロマトグラフ/質量分析計によつて視床下部スライスから電気刺激に対応して内因性Eが遊離することを証明した.更に[<SUP>3</SUP>H]norepinephrine([<SUP>3</SUP>H]NE)を負荷したスライスから電気刺激により[<SUP>3</SUP>H]Eが遊離するのを確認した.[<SUP>3</SUP>H]Eを負荷したスライスからの電気刺激による[<SUP>3</SUP>H]E遊離は刺激電流量,刺激頻度依存性でtetrodotoxin(TTX)感受性,Ga<SUP>2+</SUP>依存性であった.電気刺激による[<SUP>3</SUP>H]E遊離はyohimbine処置により増大し,この効果はclonidine処置で抑制された.以上の結果は,視床下部におけるEの神経伝達物質としての役割を示唆するものであり,更にE神経終末からの遊離はシナプス前α<SUB>2</SUB>受容体を介し制御されていることを示すものである.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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