Oxybutynin hydrochlorideの膀胱および尿道に対する作用
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概要
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膀胱および尿道に対するoxybutyninの作用を,ネコおよびウサギを用いてatropineおよびflavoxateと比較検討した.oxybutynin 10 mg/kg, i.v. は,骨盤神経の末槍端および中枢端刺激による膀胱収縮を有意に抑制し,その効力はatropineの約1/2であった.一方flavoxateは,10 mg/kg, i.v.で増強或いは抑制作用を示した.acetylcholineおよびAHR-602による膀胱収縮は,oxybutyninおよびatropineにより強く抑制された.oxybutyninのこの作用は,atropineの約1/15であった.一方DMPP収縮は,oxybutyninおよびatropineの高用量で抑制され,その効果はatropineの約2/5であった.さらに,oxybutyninは下腹神経刺激による膀胱収縮に対して3 mg/kg, i.v. で抑制し,10 mg/kg, i. v. では初期の増強の後に抑制作用を示した.oxybutyninは,自発性律動収縮,膀胱トーヌスおよび骨盤神経放電をatropineと同様に抑制した.一方flavoxateは,収縮を増強し,膀胱トーヌスおよび骨盤,下腹神経放電を増加させた.norepinephrine,acetylcholineおよび下腹神経刺激による尿道反応を,oxybutyninは抑制したが,著明な作用ではなかった.ウサギcystometrogramにおいて,oxybutyninおよびatropineは,用量依存的に注入量,膀胱容積および排尿閾値圧を増加した.flavoxateも同様であった.これらの結果から,oxybutyninは頻尿の治療に有用な薬剤であると思われる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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笠間 俊男
小玉(株)生物科学研究所薬理研究室
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黛 清
小玉(株)生物科学研究所薬理研究室
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黛 清
Research Laboratory Of Biological Sciences Kodama Co. Ltd.
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渡辺 潔
小玉(株)生物科学研究所
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田丸 健次
小玉(株)生物科学研究所
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