骨粗鬆症治療薬 Ipriflavone (TG-80) の急性及び慢性疼痛に対する作用
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概要
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骨粗鬆症治療薬として開発中の ipriflavone (TC-80) の急性及び慢性疼痛に対する効果をラット及びマウスを用いて検討した.TC-80 50〜300 mg/kg 単回経口投与は急性疼痛モデルのマウスフェニルキノン writhing 法,マウス酢酸 writhing 法,マウス熱板法及びラット tail flick 法でいずれも鎮痛作用を示さなかった.また,TC-80 100 mg/kg/day の3週間連続経口投与後に,急性疼痛モデルのラット酢酸 writhing 法及びラット tail flick 法で検討したが,鎮痛効果は認められなかった.慢性疼痛モデルのラットアジュバント関節炎痛に対し,TC-80 100 mg/kg/day の3週間連続経口投与で鎮痛効果を検討した結果,雄ラットでは2〜3週間後に疼痛抑制傾向が認められ,また卵巣摘除 estrone 補充雌ラットでは2週後に有意な鎮痛効果が認められた.雌ラットのアジュバント関節炎後肢の軟X線検索での骨病変,及び病理組織学的に検索した滑膜炎,骨膜新骨形成,骨破壊などの病変は,TC-80 群で抑制傾向が認められた.以上,TC-80 は急性疼痛モデルで鎮痛作用を示さないが,慢性疼痛モデルにおいて鎮痛作用を示した.この鎮痛作用は本剤の本来有する骨病変改善作用に基づく2次的効果と結論された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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森本 繁
武田薬品工業株式会社中央研究所
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佃 良一
武田薬品工業(株)医薬開発本部薬剤安全性研究所
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葛声 成二
武田薬品中央研究所
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葛声 成二
Medicinal Research Laboratories Central Research Division Takeda Chemical Industries Ltd.
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葛声 成二
武田薬品工業
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牧 良孝
武田薬品工業中研
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森本 繁
武田薬品工業中研
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牧 良孝
武田薬品工業(株)中央研究所
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森本 繁
武田薬品工業(株)中央研究所
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葛声 成二
武田薬品工業(株)中央研究所
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佃 良一
武田薬品工業(株)中央研究所
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