Malotilate(diisopropyl 1,3-dithiol-2-ylidenemalonate)のラット肝RNA合成および核RNAの上清への移行に及ぼす影響
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概要
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malotilateをラットに投与して肝RNA合成およびその核から上清への移行に及ぼす影響を検討し,興味ある知見を得た.1.<SUP>3</SUP>H-cytidineの肝総RNAへの取り込み量はmalotilateによって増加し,経口投与3時間後に最高となり,15時間後でもなお高い値を示した.投与3時間後の肝総RNAおよびヌクレオタイドプールへの<SUP>3</SUP>H-cytidineの取り込み量はmalotilateの投与量に依存して増加した.2.malotilate(250mg/kg)投与3時間後,<SUP>3</SUP>H-cytidineの核RNAへの取り込み量は対照群に比し約1.8倍であり,核漿および核小体RNAにおいてはそれぞれ1.8および2.0倍に増加していた.ポリリボソームRNAおよびt-RNAへの取り込み量も増加していた.3.malotilateはRNAの核から上清への移行に対し影響しなかった.4.malotilateあるいはその代謝物のクロマチンに存在する比率は低かった.以上の結果からmalotilateはまず核において転写以後の過程に作用して,DNA合成に影響することなく核におけるRNA合成を促進すると思われる.その結果としてポリリボソームRNAあるいはt-RNA合成が促進され,そして蛋白質合成が促進されるのであろう.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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