テオフィリンのイヌにおける体内動態
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概要
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theophylline(TP)のイヌにおける体内動態の基礎的資料を得る目的で同一の麻酔犬を使用して,TPを非経口的あるいは経口的に投与した後,その血中濃度推移,尿中排泄物ならびに血清蛋白結合率を調べた.静脈内注射後のTP(8.2mg/kg,n=10)のファーマコキネティックスは,two-compartment open modelで解析することが出来た.TPのβ相における血漿中濃度の半減期(T<SUB>1/2β</SUB>)は,5.63±0.83時間,見かけの分布容積(vd)は,0.73±0.04<I>l</I>/kgであった.消失速度定数は,0.37±0.05時間<SUP>-1</SUP>であった.TPに由来する2種類の代謝物質が尿中から抽出され,高速液体クロマトグラフィーによって,3-メチルキサンチンと1,3-ジメチル尿酸と同定された.イヌに投与したTP投与量の約85%(n=4)が,24時間以内に尿中に排泄された.その大部分(2/3)が,TPの代謝物であり,3-メチルキサンチンとして,40.2±3.5%,1,3-ジメチル尿酸として,26.2±4.3%が排泄された.一方,TP未変化体の排泄率は,18.2±2.4%であった.筋肉内注射されたTP(8.2mg/kg,n=5)の吸収は非常に良く,そのバイオアベイラピリティーは,101.9±6.5%であった.しかし,経口投与された場合には,バイオアベイラビリティーは低かった(72.8±11.8%,n=5).TPの血清中蛋白結合率は,約44%(n=3〜7)であり,この値はTPの血清中濃度(8.2〜24.6μg/ml)には依存していなかった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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種池 哲朗
酪農学園大学獣医学部薬理学教室
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宮崎 秀人
酪農学園大学獣医薬理学教室
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久世 哲郎
酪農学園大学酪農学部獣医学科家畜薬理学教室
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種池 哲朗
酪農学園大学, 獣医学部, 薬理学教室
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宮崎 秀人
酪農学園大学酪農学部獣医学科家畜薬理学教室
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