正常並びに実験的腎不全犬におけるフロセミドの体内動態と利尿効果
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概要
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イヌにフロセミド(5mg/Kg)を静脈内投与した後の血漿中動態, 利尿効果, 尿中並びに胆汁中排泄に対する実験的腎不全の影響について検討した. 正常犬にフロセミドを投与すると著しい利尿効果が発現し, 6時間目までに尿と胆汁中にそれぞれ投与量の約55%並びに約45%が排泄された. 50%利尿効果は血漿中濃度1.5μg/ml, 尿中排泄速度約100μg/minのとき得られた. 塩化第二水銀(2mg/kg)の静脈内投与により作製した腎不全犬において, フロセミドの利尿効果の低下と共に生物学的半減期の延長と腎クリアランスの著しい減少が観察された. 一方, 胆汁中排泄はほとんど影響受けなかった. また, 利尿効果と血漿中フロセミド濃度との関係は大きく右方に移動したが, フロセミドの尿中排泄速度との関係はほとんど変化しなかった. 以上のことより, 腎不全犬におけるフロセミドの利尿効果の低下は, フロセミドの尿細管に対する感受性の低下によるものではなく主に腎排泄量の低下に起因することが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1990-04-15
著者
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