新しいβ-受容体遮断剤Befunolol hydrochloride(BFE-60)の代謝物のβ-受容体遮断作用および抗不整脈作用
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概要
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befunolol hydrochloride(BFE-60)のヒトにおける主要代謝物metabolite I(MI)とイヌおよびラットにおける主要代謝物MIIを中心に, それらのグルクロン酸抱合体(MI-PG,MI-2G,MII-4G)やその他の確認された代謝物MIII,MV,MVII,MIXについてβ-受容体遮断作用および抗不整脈作用を検討した.isoproterenolによるラット血圧下降に対して,MIおよびMIIはBFE-60より弱いがpropranololに匹敵する拮抗作用を,MIIIはpropranololの1/10の作用を示した.ラット摘出子宮の自動運動におけるisoproterenol拮抗作用では,MIIおよびMIはpropranololのそれぞれ約1/2, 約1/7,MIII,MVおよびMVIIは1/100であった.麻酔犬の心拍数および血圧におけるisoproterenol拮抗作用は,MIおよびMIIともにBFE-60より弱いがpropranololと同等の効力を示した.局所麻酔作用はMIがMIIより強くBFE-60よりやや弱かった.麻酔犬における<I>l</I>-adrenaline不整脈をMIはBFE-60と同等に抑制し,MIIとpropranololはこれらより弱い抑制作用を示した.麻酔犬におけるouabain不整脈をMIはBFE-60およびpropranololと同等に抑制したが,MIIの抑制作用はやや弱かった.<BR> 以上の結果より,MIはBFE-60より弱いがpropranololに匹敵するβ-受容体遮断作用とBFE-60と同等の抗不整脈作用を有し,MIIはpropranololに匹敵するβ-受容体遮断作用とやや弱い抗不整脈作用を有することが示され,BFE-60を経口投与したときの薬効には,BFE-60の他にMIあるいはMIIが関与していることが示された.またMIII,MV,MVIIのβ-受容体遮断作用はpropranololより10〜100倍弱く,MIX,MI-PG,MI-2G,MII-4Gはほとんど作用を示さなかった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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