2-(2-Fluoro-4-biphenylyl)propionic acid(Flurbiprofen)の抗炎症作用の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2-(2-fluoro-4-biphenylyl)propionic acid(flurbiprofen,FP-70)は新らしい非ステロイド抗炎症剤でその作用を既存の薬剤と比較検討した.酢酸による毛細血管透過充進に対してFP-70はibuprofen(IP)の7.8倍,acetylsalicylic acid(AS)の61倍,indomethacin(IM)の5.7倍,phenylbutazone(PB)の25倍の抑制効果を示し,またcarrageenin浮腫に対してFP-70はIPの52倍,ASの250倍,IMの14倍,PBの110倍で,急性炎症に対して強力な抑制作用を有していることが認められた.皮膚紫外線紅斑においてもFP-70はIPの26倍,ASの790倍,IMの25倍,PBの68倍の抑制効果を示した.肉芽増殖抑制作用においてFP-70は比較した非ステロイド抗炎症剤と同様に効果を認めなかった.しかしCMC嚢法の白血球の遊出抑制はpredonisoloneと同程度の効果を認めた.ウシ血清albumin Fr.Vの熱変性に対してFP-70はIPと同程度の抑制作用を認め,IMおよびPBよりやや強く,ASの約10倍強い抑制作用を示した.Adjuvant関節炎による実験的慢性炎症についてFP-70の3mg/kg/day連続経口投与は同量投与のIMと同等かやや強い予防効果が認められた.従ってFP-70の抗炎症作用は副腎を介しない非ステロイド抗炎症剤であり,実験炎症に対する抗炎症作用は既存の抗炎症剤よりも強力であるので臨床での炎症や関節リウマチに対する効果が期待される.
著者
関連論文
- 2-(2-Fluoro-4-biphenylyl)propionic acid(Flurbiprofen)の抗炎症作用の検討
- 新しいβ-受容体遮断剤Befunolol hydrochloride(BFE-60)の代謝物のβ-受容体遮断作用および抗不整脈作用
- 新しいβ-受容体遮断薬2-Acetyl-7-(2-hydroxy-3-isopropylamino)propoxybenzofuran hydrochlorideの心血管系に対する作用
- 2-(2-Fluoro-4-biphenylyl)propionic acid(Flurbiprofen)のProstaglandin合成阻害作用
- 2-(2-Fluoro-4biphenylyl)propionic acid(Flurbiprofen)の抗炎症作用機序の検討
- 非ステロイド性抗炎症剤による消化管障害の, ラットにおける比較検討