黄連解毒湯の胃酸分泌抑制機序
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概要
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黄連解毒湯の胃酸分泌に対する影響を麻酔下で胃内灌流法を用いて検討した,黄連解毒湯(10〜100mg/kg)は,TRH(thyrotrqpine releasing homone)誘導体のDN-1417(0.1μg/rat,i.c.v.)誘発による酸分泌を用量依存的に抑制したが,GABA誘導体のbaclofen(0.3μg/rat,i.c.v.)によるそれを抑制しなかった.atropine(0.05mg/kg)は,DN-1417およびbaclofenの酸分泌刺激をともに明らかに抑制した.黄連解毒湯のDN-1417刺激酸分泌に対する抑制作用は,dopamine受容体遮断薬のhaloperidol(0.3および1.0mg/kg)およびsulpidde(100mg/kg)ならびにα受容体遮断薬のphentolanine(1および5mg/kg)およびα<SUB>2</SUB>-受容体遮断薬のyohimbhle(0.3mg/kg)によって拮抗されたが,β受容体遮断薬のpropranolol(4mg/kg)およびα<SUB>1</SUB>-受容体遮断薬のprazosin(1mg/kg)によって拮抗されなかった.これらのことから,黄連解毒湯の胃酸分泌抑制作用には,dopamine受容体およびα<SUB>2</SUB>-受容体が関与していることが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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