Timepidium bromideの内臓平滑筋運動ならびに分泌機能に対する作用
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概要
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Timepidium bromide(TB)のin vivoにおける各種平滑筋運動ならびに分泌機能に対する作用をhyoscine-N-butylbromide(HB)およびatropine sulfate(Atr)の作用と比較した.イヌにおいて上部消化管および胆嚢,膀胱の運動を同時記録し,自動運動ならびにbethanechol持続注入による運動亢進に対するTBの抑制作用を検討した結果,消化管運動に対してはHBより強く,Atrに匹敵する活性を認めた.胆嚢に対するTBの抑制作用はHBおよびAtrと同等であったが,いずれの薬物も消化管における活性より弱かった.膀胱においては,各薬物ともに自動運動に較べてbethanechol刺激に対する抑制が明らかに強く,この際TBは自動運動に対してHB,Atrより弱い一過性の抑制傾向を示すのみであったが,bethanechol刺激に対してはHBおよびAtrと同程度の活性であった.これら平滑筋に対するTBの作用持続は膀胱自動運動を除いてAtrより短いが,HBより長かった.一方,ネコの迷走神経刺激による胆嚢収縮ならびに血圧降下に対しても,TBはAtrより弱いが,HBと同等の抑制を示した.また,ラットのmethacholineによる子宮収縮をTBはHBより強く抑制し,同時に観察した降圧反応に対する抑制はHBと同程度であり,Atrはいずれに対しても最も強い卸制を示した.他方,イヌのbethanechol持続注入による胃酸分泌亢進に対して,TBはHBより強く,かつ持続の長い抑制作用を示した.同様な抑制作用がラットのcarbacholによる胃酸分泌および幽門結紮ラットの胃液,胃酸分泌においても認められた.しかしpilocarpine刺激によるラットの唾液分泌に対するTBの抑制作用はHBとほぼ等しかった.Atrはこれらの分泌を非常に強く抑制した.他方,ラットの胆汁および膵液の分泌に対してTBは影響を与えなかった.マウスの経口投与におけるTBの散瞳作用はAtr,HBに較べて弱く,持続も短かった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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