ヒ素代謝に関する研究(第20報)―ヒ素剤がラットの発育期の脳におよぼす影響について―
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概要
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哺乳期にヒ素剤を与えるとラットの体重,脳重量,脳組成にどのような影響を与えるか実験した.実験はclosed colony(田村,1950)のWistar系albino ratの仔ラット499匹を4群に分け生後7日から21日まで対照群にはarabia gum懸濁液を,ヒ素剤投与群にはAs<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB> 1.5,15mg/kgおよびヒ素混合物As<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>15mg/kgをそれぞれ毎日一定時投与し,生後3週ならびに15週で実験測定した.死亡率は対照群,ヒ素剤少量投与群ではいずれも10%内外でヒ素による影響はなかったが,ヒ素剤大量投与群ではいずれも50%近かった.ヒ素剤を少量,または大量投与してもラットの体重,脳重量,脳組成はOrienta1および粉乳両飼料群,また雌雄いずれもヒ素剤による影響はなかった.本実験の結果,ヒ素剤の少量または大量投与はラットの体重,脳重量,脳組成に影響をおよぼさないことがわかった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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