Methyl o-(4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl)reserpate(CD-3400)の中枢神経抑制作用について
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概要
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マウス,ラットおよびネコを用いて,methylo-(4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl)rescrpate(CD-3400)の申枢抑制作用をreserpineおよびrescinnamineと比較検討した.CD-3400の1)マウス自発運動に対する抑制作用はreserpineに比べると著しく弱く,rescinnamineと比べても弱かった.2)ラット条件回避反応抑制作用も最も弱く,かつ最大反応発現時間および回復時間もより早かった.3)マウス眼瞼下垂,体温下降,hexobarbital催眠増強,運動協調性の低下ならびに誘発闘争行動の抑制作用等については,rcserpineおよびrescinnamineより有意に弱く,かつ作用持続時間の短縮もみられた.4)マウスcatalepsy惹起作用はrescinnamineとほぼ同程度で,reserpineに比べると極めて弱かった.5)抗methamphetaminc作用についてはマウスの運動量を,また抗morphine作用については鎮痛効果と挙尾反応の抑制作用を指標に検討したところ,その作用はreserpineやrescinnamineに比較して弱かった.6)Pentetrazol痙攣に対する増強作用は80mg/kgでも認められなかったが,rescinnamineでは80mg/kg,reserpineでは10mg/kgで増強作用がみられた.7)ネコの急性脳波におよぼす影響については,5mg/kg i.v.投与でも新皮質に紡錘波が多少認められる程度であり,また中脳網様体電気刺激による脳波覚醒反応でもほとんど変化がみられなかった.これに対し,reserpineの0.5mg/kg i.v.投与で新皮質の高振幅徐波化,海馬の低振幅化,さらに覚醒波の消失等がみられた.8)脳,心臓および血漿中serotonin量の減少作用は特に脳において,reserpineやrescinnamineに比べて有意に弱く,24時間後では回復過程にあり,上述の行動薬理学的試験結果と平行していた.以上の事実からCD-3400はreserpineやrescinnamine}こ比べて毒性および中枢抑制作用が弱く,しかもrescinnamineとほぼ同程度の抗高血圧作用を示すことから,副作用の少ない抗高血圧薬として有望と思われる.
著者
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藤本 康夫
日本ケミファ
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玉田 輝巳
日本ケミファ株式会社研究所
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藤本 康夫
日本ケミファ研究所
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玉田 輝巳
日本ケミファ研究所
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中田 千津子
日本ケミファ研究所
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小倉 豊
日本ケミファ研究所
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四家 喜一
日本ケミファ研究所
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