グリセロールの溶血作用とフラクトースの溶血阻止作用
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概要
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グリセロールによってひき起される赤血球の溶血とそれにおよぼすフラクトースの阻止効果の機構を研究した.溶血速度の温度変化から溶血過程の活性化エネルギー,活性化エントロピーおよび活姓化自由エネルギーが計算された.得られた計算値から溶血速度の温度変化は液の粘度の温度変化に支配されることがわかった.フラクトースの存在は活性化エネルギーと活性化エントロピーを低下させたが,活性化自由エネルギーはフラクトースの有無に関係なく一定であった.予めグリセロール溶液に浸漬した赤血球は低張のみならず高張の食塩水中でも溶血を起した.このことはグリセロールが赤血球膜の脂質の一部を媒質申に溶出させ,また赤血球膜の脱水和を起すためであると解釈された.フラクトースはグリセロールの脱水和作用を妨害するものと推論された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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荒川 正幸
東京理科大学薬品物理化学教室
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近藤 保
東京理科大学総合研究機構界面科学研究部門
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荒川 正幸
Faculty Of Pharmaceutical Sciences Science University Of Tokyo
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光井 碩樹
中外製薬総合研究所
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鈴木 成生
中外製薬総合研究所
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柴元 靖
中外製薬総合研究所
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荒川 正幸
東京理科大学薬学部薬品物理化学教室
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