新Minor tranquilizer, 10-chloro-3-methy1-11b-(2-chlorophenyl)-2, 3, 5, 6, 7, 11b-hexahydrobenzo[6, 7]-1, 4-diazepino[5,4-b]-oxazol-6-one (CS-386)の扁桃核刺激による後発射および行動におよぼす作用
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概要
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無麻酔,無拘束ネコの扁桃核刺激による扁桃核脳波の後発射およびそれに伴う顔面畜搦や唾液分泌,強直性間代性痙攣等の行動に対し,新minort ranquilizerである10-chloro-3-methyl-11b-(2-chlorophenyl)-2, 3, 5, 6, 7, 11b-hexahydrobenzo[6,7]-1, 4-diazepino[5, 4-b]-oxazol-6-one (CS-386)の効果を他の代表的向精神薬と比較し検討した.後発射については,後発射を惹起する刺激閾値と持続時間の2つを指標にした.CS-386は.cloxazolamおよびoxazolamと同様に後発射ならびに行動をすべて抑制した.とりわけCS-386は最も強い抑制効果を示した.Diazepamは後発射の閾値に対しては作用がなかったが,持続時間を短縮し,行動を抑制した.Chlordiazepoxideは後発射の閾値と持続時間および顔面播搦に明らかな作用がみられず,唾液分泌は高用量で抑制した.Phenobarbitalは後発射と唾液分泌を抑制したが,後発射の閾値の上昇ならびに他の行動抑制に高用量を要した.Chlorpromazineは後発射を増強し,行動に対しては全く抑制しなかった.以上の結果から,次のことが示唆された.CS-386は,cloxazolamおよびoxazolamと相似し,chlorpromazineとは作用のパターンを異にする.またCS-386は,扁桃核刺激による後発射ならびに行動に対し,調べた薬物のうち最も抑制効果が強く,扁桃核自身に対して,chlordiazepoxideやdiazepamならびにphenobarbitalに比しより強力な作用を有する.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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