外側視床下部のSelf-stimulation行動とアドレナリン作働性機構に関する吟味 ―エピネフリンやノルエピネフリン,イソプロテレノール,ドパミン等の脳室内投与による影響を中心に―
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概要
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雄性今道ウイスターラットの外側視床下部後部におけるself-stimulation(SS)行動とアドレナリン作働性機構との関連について,注射針を改良して作製した脳室内投与装置を用い,種々の薬物を側脳室内に投与することにより吟味した.1)<I>l</I>-Epinephrine(Ep)の0.5μgでは有意な作用はなかったが,5begではSS行動を明らかに増強し,20μgではさらに著明な促進作用が認められた.2)<I>l</I>-Norcpinephrine(NE)の0.5μgでは作用なく,5μgでは明らかな促進作用がみられ,20μ9ではさらに箸明な作用が認められた.3)NE(20μg)の注入と同時に電流を切断すると,NEによる著明なSS行動の促進作用は出現しなかった.4)<I>l</I>-Isoproterenolは0.5,5,20μgとも作用がみられなかった.5)Dopamineは0.5,5,20μgとも作用が認められなかった.6)Phcntolamineの10および50μgともSS行動を明らかに抑制した.7)Propranololは10および50μgとも明らかな作用をきたさなかった.8)以上の結果から次の事が示唆された。(a)EpがSS行動において何らかの役割を果たしている可能性がある.(b)外側視床下部のSS行動の陽性強化には,ドパミン作働系よりもアドレナリン作働系(Ep作働系またはNE作働系)の方がより重要な役割を果たしており,またβ受容器よりもα受容器の方が緊密な関連を有する.(c)NEによるSS行動の促進作用は,レバー押し現象の非特異的な増強ではなく,脳内の電気刺激と関連したものである.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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