外側視床下部のSelf-stimulation行動におけるノルエピネフリンとドパミン作働系の関与および向精神薬の影響
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概要
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雄性の今道ウイスターラットの外側視床下部後部に双極性慢性電極を植え込み,self-stimulation(SS)行動におけるカテコールアミン作働系の関与と向精神薬の作用を調べた.1)外側視床下部およびdorsal noradrenaline bundleに同時に電極を植え込んだラットにおいて,いずれもSS行動が観察された.2)閾値陽性強化のSS行動をmethamphetamine(0,25,0.5,1mg/kg,i.p.)は用量依存的に促進した.このmethamphetamineのSS行動促進作用に対して,imipramine(5,10,20mg/kg,i.p.)の前処置はmethamphetamineの作用を増強したが,chlorpromazine(1.5mg/kg,i. p. )は抑制した.中等度陽性強化においては,methamphetamineはSS行動を促進したが,imipramine(0.3〜20mg/kg,s.c.)は有意な作用を有しなかった.一方,chlorpromazine(2,4mg/kg,S.C.)はSS行動を著明に抑制した.3)Dopamine β-hydroxylase阻害薬のFLA63(25mg/kg,i.p.)およびU-14,624(200mg/kg,i.p.)はSS行動を抑制した.脳内norepinephrine量はいずれも有意に減少したが,dopamine量はFLA63では有意に増加し,U-14,624では増加の傾向を示した.4)Apomorphine(0.1,0.3,1mg/kg, i.p.)は閾値陽性強化のSS行動を促進せず抑制した.5)<I>l</I>-Norepinephrincの側脳室内投与において,0.5μgでは作用は認められなかったが,5μg以上では促進が認められた。しかしdopamine(0.5,5,20μg)は全く作用しなかった.7)以上のことから,外側視床下部後部の陽性強化にはノルエピネフリソ作働系が主に関与し,ドパミン作働系の関与は少ないものと結論した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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