米粒子を用いた実験マイクロデルタ堆積物中にみられる堆積過程を反映した二種類の3次元粒子配列
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概要
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個々の粒子の3次元粒子配列を調べることを目的として,米粒子を用いたマイクロデルタ堆積実験を行った.ほぼ等粒な楕円体である米粒子を用いたことで,見かけの長軸の長さから,個々の粒子のオリエンテーションも読み取ることができた.形成されたマイクロデルタ堆積物中には次の二種類の配列を示す粒子が顕著にみられた.(1)流向に平行なオリエンテーションでフォーセット面の傾斜に近いインブリケーションを示す粒子.(2)ランダムなオリエンテーションでほぼ水平のインブリケーションを示す粒子.(1)の配列は,流速の小さい実験で顕著であった.この場合,フォーセット面の最上部に落下した後,なだれによって再配列した粒子が多い.また(2)の配列は,流速の大きい実験で顕著であった.この場合は,フォーセット面に落下した後,なだれによる再配列がされないまま堆積する粒子が多い.この結果は,斜面が前進して形成される堆積物において,3次元粒子配列の特徴が,堆積過程の違いを反映していることを示唆している.
著者
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増田 富士雄
Department Of Earth And Planetary Sciences Graduate School Of Science Kyoto University
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山口 直文
Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University
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増田 富士雄
Department of Environmental Systems Science, Faculty of Engineering, Doshisha University
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