世代交代による遺伝的性質の変化を考慮した長期選抜効果を予測するための遺伝子仮定モデル

概要

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長期的な選抜による遺伝的性質の変化を予測することは,集団をコントロールする上で重要である.しかし,選抜は集団の遺伝的性質を変化させるため,世代ごとの選抜反応は一定ではありえない.長期選抜の効果を予測するために,これまでは選抜された親の集団とその子の集団の遺伝的性質は同一であると見なして,モデルを組み立ててきた.今回は,世代交代における配偶子の分離と結合による集団の遺伝的性質の変化を考慮して,モデルを組み立てた.分離した配偶子の持っ遺伝的効果の分布は,各遺伝子座の効果が等しければ超幾何分布を用いて求めることができる.この配偶子の分離•結合を考慮したモデルIIによる予測を,これを考慮しないモデルIによるものと比較し,次の結果を得た.モデルIIでは配偶子の分離•結合により生じる分散のため,モデルIより遺伝分散の減少は遅くなる.この大きな遺伝分散により,モデルIIの集団平均は早く選抜隈界に近づく.また,特に初期世代においてモデルIIにおける遺伝的効果の分布の歪度は変化が小さくなる.
社団法人日本畜産学会の論文