サラブレッド種の体重の推定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
馬体重計を持たない育成者は,馬体重計無しでサラブレッド種の馬体重を推定することを要求している.しかし,これらについての報告は数少なく,我国のサラブレッド種に対する報告は,見当らない.著者は,1980年1月から1987年4月までに日本中央競馬会宇都宮および日高育成牧場で毎月計測されたサラブレッド種雌延3072頭雄延2536頭の体重,体高,胸囲および管囲の資料を用いて,生後日齢を考慮して重回帰分析のstepwise法で馬体重の推定式を求めた.推定にあたっては,全資料から同一馬の計測値を使用しないように抽出した標本において推定式を計算した.この推定式を全資料に対し偏差(推定値-実測値)を推定したところ,季節的変動と思われる周期的変動を認めたので,測定月を三角関数にあてはめ,偏差の修正を行なった.分析の結果,雌はy=(-585.3+0.06X1+0.992X2+3.410X3+9.90X4)-(1.00+5.95sin(30°m)-2.35cos(30°m)),雄ではy=(-607.7+0.07X1+1.460X2+3.432X3+9.79X4)-(3.03+4.29sin(30°m))であった.ここでmは,測定月である.また,この式の適合度をみるために全資料にあてはめ偏差を実測値で除してその割合をみたところ全体では,雌では5%以内の偏差に入る値が91.1%,10%以内の偏差のものが99.1%,雄では5%以内の偏差のものが89.9%,10%以内の偏差のものが99.5%となった.このことから本研究での推定式は離乳期から育成期にかけての馬体重の推定には有用なものと考えられる.
著者
関連論文
- Gibbs Sampling による競走馬における上部気道疾患の遺伝率の推定
- 日本におけるサラブレッド種の走行タイムの遺伝的趨勢
- 雌ウマの分娩前後における血中インヒビン濃度測定の有用性
- サラブレッド種における体型計測値の遺伝•表型パラメータの推定
- サラブレッド種の競走能力に関する遺伝的研究 : I. 芝馬場とダート馬場の走行タイムの比較について
- サラブレッド種の体重の推定