ウシリンパ球抗原(BoLA)に対する同種抗体の検索と特異性の分類

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ウシリンパ球抗原(BoLA)の特異性を分類する抗血清を得るために,経産牛血清および同種血球を免疫されたウシ血清中に含まれる抗体の検索とその特異性の分類を行なった.55頭のホルスタイン種と45頭の黒毛和種から得たリンパ球を抗体検索用のパネルとして用い,微量リンパ球毒性試験法によってこれらリンパ球に対する抗体の保有率を検査したところ,ホルスタイン穂,黒毛和種,褐毛和種および日本短角種の合計571頭の経産牛から得た血清のうち,その67%の血清が抗体陽性であった.経産牛血清の抗体の保有率は産次が進むに連れ上昇したが(P<0.005),品種差は認められなかった(P>0.50).一方,153の同種血球免疫血清を40個体のリンパ球で検査した同様の実験では,94%の免疫血清がBoLAに対する抗体を保有していた.経産牛血清および同種血球免疫血清に含まれる抗体のBoLAに対する特異性を,クラスター分析により分類した結果,8種類のクラスターを確認することができた.これらのクラスター中にはすべて,あるいは大部分がホルスタイン種の血清で構成されたものが4,主に黒毛和種の血清で構成されたものが2,褐毛和種の血清のみで構成されたものが1あり,他の1つのクラスターはすべての8品種により構成された.また,これらのクラスターによって認識された8抗原のうち,6抗原の表現型の出現頻度に品種差が認められた.これらの8抗原によって,パネルとして使用された55頭のホルスタイン種は19の表現型に,また45頭の黒毛和種は14の表現型に分類された.
社団法人日本畜産学会の論文

ウシリンパ球抗原(BoLA)に対する同種抗体の検索と特異性の分類

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