豚凍結融解精子の運動性に及ぼすグルタチオンの効果
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概要
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豚凍結-融解精子の運動性に対するグルタチオン(GSH)の効果を検討した.凍結精液作成時に5mM GSHを添加し,凍結-融解後の精子の運動性を無添加の場合と比較検討した.GSHを添加した場合,凍結-融解精子の運動性は無添加に比べて高く維持され,脂質の過酸化の指標であるマロンジアルデヒド(MDA)産生が抑制された.GSHの添加は凍結-融解精子のスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)活性を増加させた.ミトコンドリア膜傷害の指標となるリンゴ酸-アスパーラギン酸シセトノレ(M-A shuttle)の活性はGSHを添加した場合が無添加に比べて高かった.GSHの添加によるM-A shuttle活性の増加は,精子のATP/ADPの比の上昇と運動性の増加をもたらした.また,GSHの添加は受胎率と一腹の産子数を増加させた.これらの結果から豚凍結精液作成時のGSHの添加はSOD活性を増加させることによって脂質の過酸化を防ぎ,凍結-融解精子の運動性はより高く維持され,結果として受胎率と産子数を増加させることが示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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