豚精子におけるmalate-aspartate shuttle活性への凍結融解の影響
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概要
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豚精子におけるmalate-aspartate shuttleによる細胞質内NADHの還元当量のミトコンドリア(Mit)への輸送能力に対する凍結融解の影響を検討した.エタノールを添加することにより細胞質内NADHを増加させ,細胞質内の酸化還元状態を反映する乳酸/ピルビン酸比(L/P比)の変化からmalate-aspartate shuttle活性を評価した.グルコースとエタノール存在下で洗浄精子のL/P比は15.1であったのに対して,凍結融解精子は32.9と高かった.Malate-aspartate shuttleの阻害剤,アミノオキシアセテートを添加するとL/P比は洗浄精子で37.0,凍結融解精子で36.1となったことから,洗浄精子ではmalate-aspartate shuttleによってエタノールに由来するNADHの還元当量をMitへ活発に輸送していたのに対して,凍結融解精子ではmalate-aspartateshuttleの能力が著しく低下していたことは明らかである.以上のことから凍結融解精子ではMit膜に障害を受け,細胞質内NADHの還元当量のMitへの輸送活性が低下することが示唆された.
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