生体機能細胞不死化技術とその生体機能再構成への利用
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概要
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生体の組織を構成している分化機能を持つ細胞は200種を超えると思われる. これら多様な細胞機能を解明し, 生体組織の機能特性を再構築するためには, 個々の分化機能を保持した細胞を不死化することが必要となる. 筆者らは, 温度感受性SV40 T-抗原遺伝子導入トランスジェニックマウス, およびラットを作出し, 多様な組織から分化機能を保持した不死化細胞株を樹立する方法を確立した. 筆者らは, 造血幹細胞を支持する骨髄の間質細胞株を多数不死化し, 骨髄造血微小環境の<I>in vitro</I>再構成を目指した研究を進め, これら間質細胞株が, 細胞間相互作用により培養系で造血細胞の特異的支持機能を示すとともに, 骨芽細胞, 内皮細胞, 筋細胞, 脂肪細胞, 平滑筋細胞など多様に分化できる間葉系幹細胞としての性質も持っていることを明らかにした. これら不死化した機能細胞株は, 今後, 再生医学的研究とともに, 医薬品スクリーニングシステムや毒性評価システムの構築, 新規生理活性物質の探索などへの創薬研究への利用も期待できる.
- 日本DDS学会の論文
- 2003-03-10
著者
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帯刀 益夫
東北大学加齢研
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帯刀 益夫
東北大学加齢医学研究所
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帯刀 益夫
東北大. 加齢研. 分子発生
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矢内 信昭
宮城学院女子大学栄養科学科
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矢内 信昭
東北大学加齢医学研究所
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帯刀 益夫
東北大・加齢研
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矢内 信昭
宮城学院女子大学
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